灰汁の洗浄性 10.14_25
2025年10月15日 20:49
今日の色は、橡色。
初めて聞いた色ですが、馴染みの深い色でした。みなさん、ご存知でしたか?
つるばみ色とは、クヌギの古名である「橡(つるばみ)」の実や樹皮で染めた、黒っぽい灰色や赤みがかった褐色の茶色を指しているようです。
この色は、媒染剤(染料を繊維に定着させるための薬剤)によって様々な色合いに変化するようです。
黒橡(くろつるばみ):鉄媒染で染められた濃い茶色や黒っぽい灰色を指し、通常「橡色」というとこの色を意味します。
黄橡(きつるばみ):灰汁(あく)を用いて染められた、赤みがかった黄褐色で黄金色に近い色です。
白橡(しろつるばみ):橡で染めた白茶色に近い色で、鈍色(にびいろ)の薄いものです。青白橡と赤白橡の2種類があります。ただし、赤白橡や青白橡は、橡を使って染めた色ではないとされています。青白橡はやや灰色がかった黄緑系の色です。
そして、つるばみ色は、奈良時代頃までは庶民の服の色として使われ、その後は僧衣や貴人の喪服などにも用いられた歴史のある色名のようです。
そこで、灰汁についての調べてみると、いっぱいあり、自宅で草木染めも try して見たくなりました。
さらに、探してみると、灰汁の洗浄性について検討している以下の文献が面白かった。
藤居眞理子,高橋兆子,サイカチ、灰汁の洗浄性と溶液物性,東京家政学院大学紀要,
(要旨)
サイカチ,ムクロジの水抽出溶液と灰汁の洗浄性を人工汚染布と Terg-O-Tometer を用い,JIS 標準洗剤(以下標準洗剤
とする)を対照に調べた。サイカチ濃度 3.0g ~ 4.5g/l ,ムク ロジ濃度 2.0g ~ 3.5g/l の範囲では濃度に関係なく,灰汁
は pH12 の希釈液で,ともに標準洗剤の約 50% の洗浄力を示し,再汚染は認められなかった。サイカチは弱酸性,ムク
ロ ジは中性,灰汁はアルカリ性であり,表面張力は,標準洗剤<ムクロジ≦サイカチ<灰汁≦ 水。比界面張力は,標準洗剤<
サイカチ<ムクロジ<灰汁<水。浸透力は,標準洗剤>サイ カチ>ムクロジ>灰=水。乳化力は,サイカチ,pH12 の灰汁,ム
クロジの順で若干認めら れた。泡の安定性はサイカチとムクロジが標準洗剤と同等以上であり,分散力はサイカチが 標準
洗剤と同等,ムクロジはやや劣る程度であり,灰汁は認められなかった。硬度はムクロ ジとサイカチが 0.2°DH 以下で極
めて低く,pH12 の灰汁は 200°DH 以上であった。
とのこと。
昔々、石鹸のなかった頃は、灰汁を利用していたことに納得できました。泡が立たないと、洗っている感じがないような現代ですが、河川の汚染を考えると、これも納得。
草木染め、一度やってみよう!

参照
サイカチ、ムクロジ、灰汁の洗浄性と溶液物性、
https://www.kasei-gakuin.ac.jp/tkgu_cms/wp-content/uploads/2022/04/43N1.pdf
YOKO.Labホームページ:https://ta70r.hp.peraichi.com
参照: 365日 日本の色図鑑
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