刈安色 9.10_25
2025年09月12日 02:13
9月10日の色は刈安色。爽やかなレモンのような色かな。
この色は、古代から汎用され、ススキの仲間である、カリヤスという草で染めている黄色。
このカリヤスの黄色色素はフラボンといい、紫外線から細胞を守る目的で植物が生成しているAllelopathyですね。このAllelopathyのお話は、別の機会にして、、、
産地としては滋賀県の伊吹山が有名で、カリヤスと呼ばれる(八丈島のみ)染料植物は色々で、コブナグサもあり、これはカリヤスよりもやや明るい色合いに染まるようです。
さて、『日本書紀』中の一節に、「天下の百姓をして黄色の衣を服しむ」とあり、この黄色はカリヤス染めと推定されているようで、正倉院の収蔵品にもカリヤス染色があるようで、古代から日本で大いに活用された染料だったようですね。そして、8世紀以降、無位無官の人の正装はこの黄色の衣だったと言われています。また、『延喜式』には、灰汁を媒染剤にして染色する方法が記され、この方法ではややくすんだ青味の黄色に染め上がり、ミョウバンを媒染にすると澄んだ黄色に染まるようです。
さて、この黄色はフラボン( flavone)は有機化合物の一種で、フラバン誘導体の環状ケトンです。狭義には化学式 C15H10O2、分子量 222.24 g/mol の化合物、2,3-ジデヒドロフラバン-4-オン (2,3-didehydroflavan-4-one) を指す。植物体内においてフラバノンからの脱水素によって生合成されると考えられています。
フラボン(フラボン類)はフラボノイドのカテゴリのひとつで、フラボノイドの中でフラボン構造を基本骨格とし、さらに3位にヒドロキシ基 (OH) を持たないものがフラボンに分類されています。
黄色~白色が特徴の植物色素であり、植物体を太陽の紫外線から守る役割をし、Allelopathyの一つですね。
わたくしは、Allelopathyのお話が大好きなのですが、今日は、飛ばして。
そして、自然界には主としてヒドロキシ化体あるいは配糖体として存在していて、特にさまざまな植物からフラボンが見つかっていますね。
野菜やハーブなどの食品にも多く含まれ、その抗酸化作用が注目を集めていますね。フラボン骨格の3位が酸化されヒドロキシ基が入った誘導体はフラボノールとして区別され、また、アリール基が2位ではなく3位(カルボニル基のα位)に置換したものはイソフラボンと呼ばれています。2-3位の二重結合が水素化された構造のものはフラバノン、あるいはフラバノールに分類されます。
*アピゲニン (apigenin; 4',5,7-trihydroxyflavone)
*ルテオリン (luteolin; 3',4',5,7-tetrahydroxyflavone)
*バイカレイン (baicalein; 5,6,7-Trihydroxyflavone)
【アピゲニン】
オートファジーと呼ばれる過程を誘導する効果を持つことが明らかとなり、化学的疾病予防剤となる可能性があると同時に化学療法への抵抗を誘導する作用を持つようです。アピゲニンは、人体中で多くの医薬品の代謝に関わる酵素CYP2C9の阻害剤としても働いているようで、さらにシクロスポリンの副作用を無効にする効果を示し、シクロスポリンAは、ラットの腎臓でトランスフォーミング増殖因子βの発現を促進し、アポトーシスを加速します。そこで、トランスフォーミング増殖因子βとアポトーシス指数は、シクロスポリンAによる腎臓への損傷に対するアピゲニンの効果を評価する指標として使われるようです。
また、アピゲニンは、数少ないモノアミントランスポーターの活性化因子の1つとして働き、フルニトラゼパムを競合阻害するベンゾジアゼピン受容体のリガンドであり、抗不安薬や精神安定剤としての効果も少しあるようです。
また、In vitroでは、アピゲニンは赤血球に毒性を持つことが示されています。さらに、成体の神経発生も活性化させるという研究結果もあるようですが、ヒトでの実証はまだです!

【ルテオリン】
シクンシ科のミロバランで見られ、葉に多く、外皮や樹皮、シャジクソウ属の花、ブタクサ属の花粉でも見られます。また、サルビア・メントーサの花からも単離されています。そして、セロリ、ブロッコリー、ピーマン、パセリ、タイム、タンポポ、シソ、カモミール、ニンジン、オリーブオイル、ペパーミント、ローズマリー、ネーブルオレンジ、オレガノ、ヤーバサンタ等の食用植物にも含まれていて、ヤシの仲間のAiphanes horridaの種子でも見られます。
そして予備的な実験結果より、ルテオリンは、抗酸化物質活性、炭化水素代謝の促進、免疫系の調整、2型糖尿病の治療等の作用を持つ可能性が示されており、他にも多くの臨床応用について研究中のようですが、まだまだ研究途中のようです。
ある動物実験では、吐き気、嘔吐、胃酸の過分泌等の消化器系の副作用が生じることがあることが示されているようで、子宮体癌細胞を用いた研究では、プロゲステロンの内分泌を阻害する効果が示されているらしいです。

【バイカレイン】
GABAA受容体のベンゾジアゼピン部位及び/もしくは非ベンゾジアゼピン部位におけるポジティブアロステリックモジュレーターで、α2およびα3サブユニットを含むGABAA受容体のサブタイプに対する選択性を示し、マウスによる実験では、バイカレインは鎮静や筋弛緩の発生なしに抗不安効果を示したようです。また、他のフラボノイドとともに、S. baicalensisおよびS. lateriflora(スカルキャップ)の抗不安効果の基礎となっていると考えられているようです。
特定の種類のリポキシゲナーゼを阻害し、抗炎症薬作用を持つことが示されてい利用です。また、TRPC1チャネルの発現を阻害することで、ET-1誘導による肺動脈平滑筋の増殖を抑制する効果、動物実験では、抗うつ薬作用も示されているようです。さらに、体内で薬剤を代謝するシトクロムP450系の酵素CYP2C9の作用を阻害し、バイカレインの誘導体には、プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤として知られているものもあります。
そして、漢方薬である小柴胡湯の有効成分の1つです。
さらに、鉄に対する比較的強いキレート作用があるとの報告もあるので、小柴胡湯はお茶で服用しては、だめですよね、活性酸素を産生するフェントン反応を抑える性質があると示唆されているようです。
アミロイドーシスによるアルツハイマー病を改善すると示唆される研究もあるようです。

色々な結果が出たら、面白いですね!
参照:
https://ja.wikipedia.org/wiki/苅安色
https://ja.wikipedia.org/wiki/フラボン#フラボン類
https://ja.wikipedia.org/wiki/アピゲニン
https://ja.wikipedia.org/wiki/ルテオリン
https://ja.wikipedia.org/wiki/バイカレイン
YOKO.Labホームページ:https://ta70r.hp.peraichi.com
参照: 365日 日本の色図鑑
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